覘き小平次 (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)(京極夏彦、C・NOVELS)
「ただそこにいること」というのは、簡単そうでいて案外難しい。
この小平次も「ただそこにいる」だけで「怖い人」になってしまった訳なのだけれども。
昔の怪談をベースにした物語らしいのですが、途中で小平次が「今のままの自分もアリ」ということに気づいてから非常にゆるぎない人物になったような。
変わったのは周囲の人間の視点であって、本人自身はまるで変わらない(あ、お塚さんも変わらないか)。
でも、何かしらの闇を抱えているからなのか、小平次を恐ろしいものとして認識してしまう。
ラスト直前のあれはすさまじかったなあ。