黒龍の柩 (上) (幻冬舎文庫)
黒龍の柩 (下) (幻冬舎文庫)
(北方謙三・幻冬舎文庫)
山南さんが非常に格好よく描かれていて出番が上巻の半分だけとはいえ、非常にシヤワセでございました。
そうそう、こういう山南さんが読みたかったんですよ(と、握り拳)。
話の展開もかなりハードボイルドちっくというかスリリングで、連載時のどきどき感を思い出しました。
(当時は夕刊が楽しみだったものです)
歴史上に異説はつきものですが、こんな異説なら悪くはないかと。
ただ、相変わらずトリ氏とかカマさんが嫌な小人物っぽく描かれていたのにはちょっとがっかり。
小説で全ての登場人物が「いいひと」なことはまずありえませんが、時代小説だとその落差がちょっと激しいような気がします(某御大の作品が苦手な理由が正しくそれ。好きな人物に限って盛大にけなされているので余り手が伸びません)。
やはり『武揚伝〈1〉 (中公文庫)』*1とか『歳三往きてまた』あたりしかないのかなあ。